菱刺し模様集《復刻版》

菱刺し

前にもおすすめした「菱刺し模様集《復刻版》」ですが、自分がどのレベルになったら購入すればいいの?使いこなせるかな?…と迷っている方もいると思います。

私は迷うことなく購入したのですが、菱刺しをこれから続けていきたい!もっといろんな模様が刺してみたい!と思われた方は購入していいと思います。その好奇心を大切にしてください。どんな本なのか少しだけご紹介いたします。

本の内容と使い方

八田愛子(はったあいこ)さんと鈴木堯子(すずきとみこ)さんが1989年に自費出版された「菱刺し模様集」の復刻版になります。復刻版は株式会社日本ヴォーグ社さんが2007年に出版、故に手に入りやすくなり現代では多くの菱刺しファンのバイブルとなっている本です。

元の本は箱に入っていて表紙なども厚くしっかりとした作りになっています。内容は全て確認していないのですが、ほとんど同じだと思います。模様集の名の通り模様が盛りだくさん!!菱刺しの初心者の方にはハードルが高いですが、もっと色々刺してみたい!と思ったらこの本の購入をおすすめします。

目の数え方や模様の名前のの解説、カラーページには古作や現代の菱刺しの作品も掲載してあります。私が持っている復刻版は使い過ぎてぼろぼろになってきてしまいました、それくらい使い込める本です。

何故かというと見開きの右側には図案、左側にはそれを刺したものが掲載されているからです。図案だけでも大まかには分かるのですが、刺してみると仕上がりが自分の思い込んでいたイメージと違ったりすることもあります。私は見開きのページのどちらも見るようにして、刺す前のイメージの誤差を減らしています。

とても美しい模様がたくさんあります。菱刺しを刺す方は重宝する本ですので、模様を沢山刺して上手になりましょう!!アプリKinoppyとReaderでの電子版もありますが、個人的には本がおすすめです。

菱刺し模様集《決定版》 [ 八田愛子 ]

価格:5,280円
(2022/3/17 13:20時点)
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この先はマニアックな話になるので興味がある方だけ読んでください。(考察を含んでいるので盲信はしないでくださいね。)

中級者以上は知っておこう!

菱の枠のついたものを「型」または「型コ」と呼び、アシガイ(枠)がついたものを「型刺し」と呼んでいます、菱刺しはこの型を組み合わせて刺していきます。

この本で注意するのが2点あります、1つ目は図案の下にある○と●の違いです。田中忠三郎氏著「南部つづれ菱刺し模様集」から転載したものは番号を白抜き(●)で表示しています。

ちなみに南部つづれ菱刺し模様集では「かたざし着物・かた(模様)たっつけ」などと書かれています。また模様には名前が分かるもの以外は「No.□□□ かたざし□」との表記があります。(□は番号)

2つ目は「小模様」についてです。

現代ではもっと目の粗い布に菱刺しを刺します。すると間のびした感じがして菱本来のすこやかな愛らしい味わいが表現出来かねます。そこで小さな模様を工夫し、何とか菱刺し本来の美しさが刺せるように考えたのが小模様です。

菱刺し模様集《復刻版》

現代は俗称として型刺し(模様の種類のひとつ)と呼ぶこともありますが、厳密に言えば菱刺し模様集《復刻版》に載っている多くの模様が小模様ということになります。

ただ、38×19以下の小模様の中には注意点の1つ目の田中忠三郎氏の「南部つづれ菱刺し模様集」の中から転載した●もあります。

さて、型刺しと小模様は別の物だと言い切れるでしょうか?この模様はないから小模様、こちらの模様は型刺し!というのは、なんだかしっくりきません。上の事実を踏まえた上で大きな枠で考え、型でさしたものは俗称として「型刺し」と私は捉えています。

今回は最後にマニアックな話をしてしまいましたが、みなさんも自分なりに考えてみてください。菱刺しって分からないことも多くて奥深いですね。今回も参考になれば嬉しいです、ありがとうございました。

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