菱刺しの技法 伝統の模様から現代作品まで

菱刺し

著者は八田愛子さんと鈴木堯子さんで1992年に株式会社美術出版社から発行された本です、正式には「新技法シリーズ 改訂新版菱刺しの技法 伝統の模様から現代作品まで」となります。改訂新版なので内容が一部変わっていそうですが、なかなか手に入りにくいので見比べることができていません。

本のタイトルは菱刺しの技法となっていますが、菱刺しを広く捉えた内容になっているので読み物としても非常に面白い一冊です。模様の解説も他の物より濃いです、全ての図案はありませんが写真が載っているで読み取ることができます。

技法の部分ではフリンジの処理のし刺し(くものいがきも含む)の刺し方もしっかり載っています。私はこれでのし刺しを覚えました!

のし刺しの由来は分かりませんが、「くものいがき」は蜘蛛がいがき(巣)をかけるように見えることから名付けられたそうです。あまり好きでない蜘蛛ですが、この名前を知ってからは巣を見かけると偶然この模様になってないかな?と見るようになりました。

くものいがきはのし刺しの一種に分類されるそうです。前垂れの腰の部分によく使われますが、生地を埋め尽くすように刺さないので布が柔らかくなり腰回りにフィットするようになっています。実際に刺したものを触ってみるとその通りで、昔の人の知恵ってすごい!と感心しました。

この本の中で私が読んでほしいのは菱刺しにまつわる話の部分です。生活の中にあった菱刺しの様子やそれを刺した人々の事を知ることができますし、何度読んでも小さな発見があります。ちなみに私はこの本に載っているミズフキの前垂れを締めたおばあちゃんの写真が可愛くて好きです。

現在はほとんど出に入らない本なので、図書館を利用して読んでみてください。

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