第7回こぎんフェス

こぎん刺し

昔のイベントも振り返ります!も3回目になりました。ようやく写真が見つかったので、今回は2018年4月28日~30日に弘前市のヒロロで開催された「第7回こぎんフェス」を振り返ってみます。今回はこぎん刺しと菱刺しの展示の両方の写真があります。

第8回の様子はこちら、写真は菱刺しのみですが関心のある方はお読みください。

こぎんフェスとは

2010年から始まったこぎんフェスは毎年GW頃に開催され、多くの作家が参加し、こぎん刺しの古作の展示も同時にあるのでこぎん刺しファンが楽しみにしているイベントのひとつです。2020年・2021年は新型コロナウイルスの影響で開催されませんでしたが2022年は開催予定とのこと!嬉しい!!

【こぎんフェス2022】

2022年5月6日(金)~8日(日)

10:00~20:00(最終日30日は18:00まで)

弘前市民文化交流館(ヒロロ4F) 入場無料

こぎんフェスは、津軽地方に古くから伝わる「津軽こぎん刺し」を世界に発信するとともに、 その新たな姿を模索しながら、ひとりでも多くのファンをつくることを目的にしています。毎年、桜の開花時期に合わせ、青森県弘前市において、こぎん作品の展示や販売、津軽こぎん刺しワークショップなどを開催しております。

こぎんフェスHPより引用

こぎん刺しの展示

こぎん刺しを見るのは初めてという方もいるかもしれないので大まかに解説いたします。こぎん刺しは「東こぎん・西こぎん・三縞こぎん」の3つに分類されていると言われています。

東こぎん

東こぎん

岩木川を境に東側地域(弘前・黒石・尾上・平賀地区)で作られた。模様に縞が無く、前身頃から後見頃まで同じ模様を施したものが多い。大胆な模様の編成でおおらかな魅力がある。

この東こぎんは後ろは見えなかったので分かりませんが、4つの模様の構成があります。左身頃の下の部分こぎん刺しでも偶数で刺してあります、菱刺しでいうところの「梅の花」ですね。

西こぎん

西こぎん

西こぎんは岩木川の西側地域(西目屋村・旧相馬村・旧岩木町)で作られた。苧麻の細い糸で織ったので模様が緻密で美しい。肩の縞模様が特徴的で「縞こぎん」とも呼ばれる。背中に「轡つなぎ(くつわつなぎ)」と呼ばれる魔よけの模様がある、別名「逆さこぶ」。

※旧相馬村・旧岩木町は現弘前市

この西こぎんは右身頃と左身頃の流れの部分は共通していますが、流れの内側は違う模様になっています。胸の部分はそれぞれ線で区切られていて違う模様を刺しています。後ろは見えませんがやはり西こぎんの特徴のひとつ「轡つなぎ」が刺されています。

三縞こぎん

こぎん

岩木川下流域(旧金木村・旧木造・旧車力村)で作られた。前身頃と後身頃に太い3本の線が入ったのが特徴。現在では4本、5本のものも見つかっているので、太い線が入っているのが区別するポイント。現存数が少なく貴重

※旧金木村は現五所川原市で、旧木造町と旧車力村は現つがる市)

こちらの三縞こぎんですが、縞の紺色に見える部分もぽこぽこして見えるので紺色の糸で刺されていると思います。縞の間にある模様が他ではあまり見たことがないので、創作が得意な刺し手さんだったのかも?肩の模様は「ねずみの歯」という可愛い名前がついています。

染めこぎん

染めこぎん

着古したものを汚れが目立たないように藍で染め直したもの。(新品を染める場合も有)年配者が着ていたことから「アバこぎん」とも呼ばれる。

この染めこぎんはどんな模様だったのかが写真からも見て取れます。そうです、東こぎんです!写真委たまたま映り込んでいたのですが、これらは県指定重要有形民俗文化財 青森の刺し子着(協力 青森市教育委員会)だったんですね。いいもの見させてもらいました!

そろばん刺し(偶数)

そろばん刺し

こぎん刺しは主に奇数で刺しますが、こちらはこぎん刺しの中でも偶数で刺しており「そろばん刺し」と呼ばれます。偶数刺しのこぎん刺しは少ないです。

私は菱刺しを主に刺しておりこぎん刺しの専門家ではないのですが…ちょっと気になる偶数刺しです。熟練の刺し手さんによるものだと思われますが、不思議な構成です。

菱刺しの展示

菱刺し着物

この長着は表だけでも型コが8個くらい使われて、よく見ると型コの間に流れを入れてスペースを空けている工夫をしています、いい長着ですね~。袖山の部分はのし刺しになっています。のし刺しとは前垂れの上部を柔らかくする刺し方のことです。

菱刺したっつけ

型刺しのたっつけですが、4種類の型コが使われているように見えます。裾の部分は写真が悪くてよく見えませんが、型刺しの上の部分は2目で刺してあります。その上の縞の木綿が横使いになっていて珍しいです、工夫なのか布が足りなかっただけなのか…想像するのも楽しいです。白い綿糸での押さえも効いています。

菱刺し前垂れ

べこのくら、生地の足、梅の花の3つを使った前垂れ、上部はくものいがきです。黒の梅の花で刺したところがぐっと締まって見えてバランスのとれた前垂れだなぁと感じます。

菱刺し前垂れ(拡大)

中央布の横に白い綿糸でステッチが刺しているのが見えます、よく見ると縦のステッチは斜めに刺してる???横のステッチは2本になっていますね。近くで見るとこれもぽこぽこしているのが分かります、毛糸で刺しているから立体的に見えるんですね~。綾杉は綿糸かもしれません、もう一度近くで見てみたい1枚です。

今回も参考になれば嬉しいです、ありがとうございました。

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