いつもは古い菱刺しやこぎん刺しについてブログを書いていますが、今回は現代に作られたものについてご紹介いたします。地元の方が見せたいからと持ってきてくれた袖なしと手甲です。
雪ん子絣や藍の木綿が表地に使われており、布の切り返しの部分には白い綿糸で細かな刺しで押さえてあります。襟は木綿ですが古いもかどうかは分かりません。裏地の大きな縞が弘前木綿か遠州木綿に似ていますね。ちょうど真ん中あたりに小さく押さえの刺しが入っています。
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縁の部分もよく見ると黒い綿糸で刺されています。昔は綿糸のことを「カナイト、カンナイト」と呼んでいました。黒い綿糸は「黒カナ」、白い糸は「白カナ」と呼ばれていたそうです。ちなみに「イト」というのは麻のみを指したそう。
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一緒に新しく作ったという「手甲」も見せてくれました。「踊りで使うの。」とおっしゃっていました、手縫いのみで仕上げてあります。恐縮ながらつけさせていただいたので写真を撮らせてもらいました。
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裏から見ると分かるのですが親指と中指の部分を縫い糸2本でループを付けており、踊りの時に外れないようになっています。糸なので目立たないのも踊り用の工夫なのかもしれません。
下の雪ん子絣の敷物は「ずっと大根の上にかけてたのよ。そんなに好きなんだったらあげるわ。」と譲り受けました。その後、新型コロナウイルスの影響もあり気軽にお会いすることは難しくなってしまいましたが、大切に家に保管してあります。早く気軽にお茶を飲めるようになって、またお話を聞けるようになればいいなと思っています。
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こぎん刺しや菱刺しの古いものを「古作(こさく)」と呼びますが、きちんと定義されているわけではありません。「え~、どの年代の物が古作って呼ぶのか分からないじゃん!」と思われる方もいるかもしれませんが、どこかの時代で1本の線が引くというのはちょっと無理矢理過ぎませんか?
だから私は古作、新しめ、現代(2000年代)…のようにふわっと捉えています。人々の営みの中で昔から現代に繋がってきているもの、今回はそんな風に感じさせる手仕事をご紹介させていただきました。何はあともあれ素敵な袖なしですね、私も作りたいです!!
今回も参考になれば嬉しいです、ありがとうございました!
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